日本酒には、大吟醸、吟醸、純米、本醸造の他にも様々な名前があります。
蔵によりラベルにより色々と書かれているので、まとめてみました。
目次
・あらばしり ・おりがらみ ・生一本(きいっぽん)
・木桶仕込み(きおけじこみ) ・生酛(きもと)
・吟醸酒(ぎんじょうしゅ) ・金賞受賞酒(きんしょうじゅしょうしゅ)
・原酒(げんしゅ)・古酒(こしゅ) ・しぼりたて(新酒)しんしゅ
・純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ) ・純米酒(じゅんまいしゅ)
・純米大吟醸(じゅんまいだいぎんじょう) ・速醸酛(そくじょうもと)
・大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ) ・樽酒(たるざけ)
・特別純米酒(とくべつじゅんまいしゅ)
・特別本醸造酒(とくべつほんじょうぞうしゅ)・斗瓶囲い(とびんがこい)
・中汲み・中取り(なかぐみ・なかどり) ・生酒(なまざけ)
・生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ) ・生詰酒(なまづめしゅ)
・にごり酒(にごりざけ)
・発泡酒・発泡清酒(はっぽうしゅ・はっぽうせいしゅ)
・ひやおろし・秋あがり(あきあがり) ・袋吊り(ふくろづり)
・普通酒(ふつうしゅ)・槽搾り(ふなしぼり)
・本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)
・無濾過(むろか) ・山廃酛(やまはいもと)
あらばしり
搾りのはじめに出てくる部分をあらばしりと言います。華やかな香りと少し荒差を残すフレッシュな味わいを楽しめます。薄く濁っているものもあります。
おりがらみ
搾りの後に残る白い沈殿物を「滓(おり)」といい、この滓が絡んだものを「オリがらみ」と言います。透明の酒よりも米の旨味成分の多い味わいが多いです。
生一本(きいっぽん)
一つの製造場だけで醸造した純米酒に表示することができます。江戸時代初期に粗悪な偽物の酒が出回るのを防ぐために生まれました。日本初の「原産地証明」といわれています。
木桶仕込み(きおけじこみ)
もろみの発酵をホーロータンクではなく、杉の木桶で行ったものです。昭和以前はすべてこの木桶が使用されていました。木の香りが強いわけではありません。
生酛(きもと)
酒母を造るときに、蒸米と麹、水を半切りにという桶に入れて米を櫂棒ですり潰す「山卸し」という作業を行う手法のことです。天然の乳酸菌を増殖させる昔ながらの手法です。
吟醸酒(ぎんじょうしゅ)
原料が米、米麹、規定量内の醸造アルコール。精米歩合が60%以下の場合に表記可能。比較的に軽快ですっきりとした味わいの酒が多いとされています。
金賞受賞酒(きんしょうじゅしょうしゅ)
全国新酒鑑評会で高得点を獲得した日本酒に贈られる賞を受賞した日本酒のことです。金賞受賞経験がある蔵を「金賞受賞蔵」と表記することもあります。
原酒(げんしゅ)
瓶詰めする以前の日本酒に加水調整を行わないものを指します。アルコール度数が18〜20度程度高く、力強い味わいを持つものが多いです。粘性が高くなることも特徴の一つです。
古酒(こしゅ)
長期熟成酒とも呼ばれています。実は表記には明確な年数規定がなく、生産者に委ねられています。1年経てば古酒とする場合も、10年以上経たないと古酒とされない場合もあります。
しぼりたて(新酒)しんしゅ
できたばかりの日本酒は「しぼりたて」または「新酒」と冠することが多いです。若々しく、ピリピリとした心地よい刺激があるものが多いです。冬場に製造する蔵が多いので、12月〜3月頃に多く出回ります。
純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ)
原料が米、米麹。精米歩合が60%以下の場合に表記可能です。フルーティーな香りものから、原料に由来するふくよかな香りを持つものまで、多様な商品が存在します。
純米酒(じゅんまいしゅ)
原料に米、米麹を使用した場合に表記可能(精米歩合の規定はない)旨味やコクのある味わいのものが多いです。
純米大吟醸(じゅんまいだいぎんじょう)
原料が米、米麹で、精米歩合が50%以下の場合に表記可能です。フルーティーな香りと、軽快で上品な味わいなものが多いです。特定名称酒の中では高価な場合が多いです。
速醸酛(そくじょうもと)
酒母を造る際に市販の醸造用乳酸菌を加えたものを指します。時間的にもコスト的にも効率がよく、安全に造りを進めることができます。淡麗な酒質になりやすいです。
大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)
原料が米、米麹、規定量の醸造アルコールで、精米歩合が50%以下の場合に表記可能です。純米大吟醸酒よりフルーティーな香りが高いものが多いとされます。
樽酒(たるざけ)
通常、日本酒はタンクや瓶で貯蔵されるが、木製の樽で貯蔵されたものを「樽酒」と呼びます。杉の木樽が最高とされており、杉の爽やかな香りが特徴の日本酒となります。
特別純米酒(とくべつじゅんまいしゅ)
原料は米、米麹。主に精米歩合が60%以下の場合に表記可能だが、精米歩合が60%以上でも「酒適好米100%使用」など、何か特別と理由つけられてるときも表記できます。
特別本醸造酒(とくべつほんじょうぞうしゅ)
原料は米、米麹、規定量内の醸造アルコールです。主に精米歩合が60%以下の時に表記可能ですが、精米歩合が60%以上でも「酒適好米100%使用」など、何か特別な理由をつけられるときも表記できます。
斗瓶囲い(とびんがこい)
醪を搾るとき、もろみを詰めた酒袋を吊り下げ、そこから滴り落ちた液体だけを斗瓶と呼ばれる容器に抽出したものです。「袋吊り」「雫酒」と同じ意味で使われる場合もあります。
中汲み・中取り(なかぐみ・なかどり)
醪を搾る際、最初に抽出する部分を「あらばしり」、次に抽出する部分を「中汲み・中取り」と呼びます。バランスのいい香味とされています。
生酒(なまざけ)
「火入れ」と呼ばれる加熱殺菌を行わない日本酒のことです。火入れを行わない生酒は特有のフレッシュ感、軽快さを持つことが多いです。「本生」「生生」と表示されることもあります。
生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)
通常2回行われる火入れ作業のうち、瓶詰め後出荷する時に1回だけ火入れしたものです。生酒の風味を残したものが多いです。
生詰酒(なまづめしゅ)
生貯蔵酒とは逆に、貯蔵前の火入れのみを行い瓶詰め後は火入れをしない日本酒のことです。秋の季節商品として売り出される「冷やおろし」によく用いられる手法となっています。
にごり酒(にごりざけ)
醪を目の荒い布でこしただけのもので、白く濁っているのが特徴です。にごり酒には、軽快なものから、まったりとした重厚感あるもの、炭酸ガスを含んだものもあります。
発泡酒・発泡清酒(はっぽうしゅ・はっぽうせいしゅ)
通常「スパークリングタイプ」と呼ばれる近代人気のジャンル。シャンパンのような瓶内2次発酵方式で造られるものや、炭酸ガスを注入するものがあり、様々な造り方が存在します。
ひやおろし・秋あがり(あきあがり)
春先にできた日本酒を半年ほど熟成させて9〜10月に出荷される季節商品です。熟成させたことにより飲み口がまろやかに変化しているのが特徴で、「秋あがり」とも呼ばれています。
袋吊り(ふくろづり)
袋の搾り方の方法の一つです。醪の詰まった酒袋をタンクの中に吊り、そこから滴り落ちた部分だけを抽出するという非常に贅沢な搾りです。「雫酒」「斗瓶囲い」と」同じ意味で使われることもあります。
普通酒(ふつうしゅ)
特定名称酒の規定から外れた日本酒は、通称普通酒と呼ばれる。原料が米と麹だけでも、精米歩合が50%以下であっても、定められた基準から外れれば普通酒となります。
槽搾り(ふなしぼり)
醪の入った酒袋を「槽」と呼ばれる伝統的な搾り機に並べ、液体部分を抽出する方法。自動圧搾機よりも時間はかかるが、高品質になると考えられています。
本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)
原料が、米、米麹、規定量内の醸造アルコールで、精米歩合が70%以下の場合表記可能です。いわゆる「淡麗辛口」に位置づけされる商品が多いとされます。
無濾過(むろか)
滓引き後に残った滓など除去するための濾過作業を行わない日本酒を「無濾過」と呼びます。濾過したものより香味の要素が多いこと、山吹色の色調が特徴となります。
山廃酛(やまはいもと)
手間と時間がかかる山卸し作業を廃止した酒母造り手法のことです。あらかじめ麹と水を混ぜて酵素を溶かし出したところへ時間差で蒸米を入れて山卸しと同等の作業を行います。